『逃げない カップ麺の誓い』

大晦日の夜-。故郷の信州に帰る家はない。働いているラーメン店の店主が開いてくれた慰労会に、同僚たちと出た。横浜に来て3年。xx拓也さんが(19)がようやく手にした居場所だ。

父の顔は知らない。母とも別れた。小学校3年まで岡谷市の養護施設で暮らした後、伊那市の里親に育てられた。中学でいじめに遭って登校しなくなり、やがて暴走族とつるむように。里親の手にも負えなくなった。

16歳で家を出た。上田市の自立支援施設に身を寄せたが立ち直れず、施設のつてで長野市の児童養護施設「恵愛学園」へ。園長のxx隆典さん(66)に働き口を探してもらった。知人の紹介で新横浜ラーメン博物館などに店舗を構える佐野実さん(59)が引き受けてくれることになった。

テレビでも活躍する佐野さんの指導は厳しい。挨拶から直された。掃除、皿洗い、スープの下準備…。逃げ出すことばかり考えていた。「どうせ俺なんて」。ふてくされていると、佐野さんの妻しおりさん(50)に叱られた。「みんなつらさを乗り越えて仕事しているんだよ」

1年後。麺をゆでる担当を任された。「おいしかった、また来るよ」。お客さんの笑顔が働く励みになることを知った。

この12月、恵愛学園に店の味を再現したカップ麺100個を買って贈った。自分に言い聞かせるように、子供達への手紙を書いた。
「過去の事は消せないけど、未来はどうなるかは分からないよね?」「大人になっても 子供の時でも 一番大事なのは自分から逃げないこと」。

1月1日 信濃毎日新聞朝刊

広告

コメント / トラックバック8件 to “『逃げない カップ麺の誓い』”

  1. フォレ Says:

    こんばんはー
    ステキです。
    でも、カップ麺を送るまでに
    たくさんの出来事が有ったんだなー
    未来に希望を持って今日を生きないと…。

  2. しましま のりこ Says:

    こんばんは(^^)
    新年早々、いいお話を聞き(見?)ました。
    私も初心を忘れないようにしていきたいで~す。
    がんばろう。

  3. YUUKO Says:

    明けましておめでとうございます。

    私も子供の頃、母が自殺未遂をしたり、喧嘩になるとお互いを非難し合って永遠と攻撃し合うといったことが行われれてきました。

    ごく普通なようで、実は多くの抑圧の中で生きてきたようです。

    私は「家族」という小さなカテゴリーの中で『これが当たり前』とされてきた事が、実は当たり前ではなかったことを大人になってから次第に認識するようになりました。

    私自身もすけけんさんのご両親のように、離婚を経験しています。
    一人で子供の面倒をみるのは本当に大変ですが、なんとか毎日を過ごしております。

    人生って不思議ですね。

    でも、苦労や困難を嘆くのではなく、すけけんさんみたいに皆さんとシェア出来るといいですね。

    今年一年がすけけんさんにとって喜びと感動の一年でありますように☆

  4. 神風娘。 Says:

    一度逃げる事を覚えた人間は、二度と踏みとどまれないですよね。
    自分から逃げずに頑張ったからこその成功なんだろうなぁ。素敵。

    ちなみに、カップメンではないですが、
    カップ焼きそばなんかだと、湯切り中によく麺に逃げられます(笑)。
    時には、大胆な脱走をされて絶望する事も・・・(爆笑)。


コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。